俺様王子様

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アタシは授業中で静まり返った廊下を足早に歩いていた。 トイレはクラスの男子がチェックしたし、人気の無い所はあらかたチェックしたけどいなかった。 と、なれば居るのはこの保健室くらいだ。 律儀に三回ノックをすると中から「はぁい」と温和そうな声が聞こえ、ドアを開けた。 机を背にこちらを見る初老の女性に浮かぶ笑顔に「失礼します」と挨拶をし、白いカーテンで仕切られたベッドに無遠慮に向かう。 カーテンを開けると一組の男女がベッドに座っている。 なんなのよ。と言わんばかりに睨んで来る女子生徒を無視し、私の視線はこちらを笑顔で見る男子生徒に向かっていた。
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