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それでも子供だった頃は、そんな生活が当たり前だと思っていた。皆、どこの家庭も同じなんだど………。
しかし、学生になり知識が身につき始めると「違う」事に気付いた。周りの男女達は彼氏や彼女と付き合ったり、カラオケに行ったり遊園地に行って来た。等と言う情報がラジオを聞いているかのように耳に流れ込んでくる。
そう………。僕は両親からの強制教育と圧力と欲に拘束されていただけだったんだ。
それに気付いたけれど、反抗する勇気も無い無力な自分が悔しくて堪らなかった。
世間で言う「優等生」「反抗しない自慢の息子」「後継ぎの親孝行者」だと近所で鼻を高くし品良く笑う母親の姿。
きっと僕は、そんな頃から自然と自分に「理想の息子」と言う名の仮面を着けていたのだ。
それが、大学に入り1年半が過ぎ去ろうとしていた頃………。その仮面が剥がれてしまう時が近付いている事に僕自身も気付いていなかった。
彼女と出会うまでは…………。
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