僕だけのメイド

Ⅸ

僕は､いつもの様に大学帰りにコンビニに立ち寄り､弁当と飲み物を買う｡

そして､自宅マンションへ………｡ほぼ毎日がこの繰り返しだ｡

たまに講義が午前だったり､午後だったりと多少の変化はあるけど大学と自宅マンションの往復に変わり無い｡

子供頃､学生の頃からの同じパターンだから苦にも思わなかった｡一つ変わったと言うならば「コンビニに寄る」事くらいかな｡

『習慣』とは恐ろしいな｡せっかく親元から離れられ多少の自由を得たのに何か変化を自ら作れば､このマンネリな日常を変える事等､簡単なのに………｡
どうして僕は何も変えられ変われないのか？

そして今日も同じように､コンビニ袋を下げ自宅マンションへ向かう｡

帰ってコンビニ弁当を食べ､勉強して合間にシャワーを浴び､また勉強………｡まったく僕の人生なんなのだろう｡つまらない………｡

結局ただの小心者なんだ｡変化を恐れているのかも知れない｡安全で楽な方へ向かって生きているだけ………｡
実家から離れても僕は今迄と何の変わりも無く､目的地に着くまで父親所有物に乗って進んでいるだけなんだ………｡

そんな事を独り考えると､自然と溜め息が出る｡気付くとエレベーターは３階に到着していた｡

僕は自分の部屋へ向かって歩き出しポケットから部屋の鍵を取り出しドアを開けた｡