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「お前の能力者か?」
男は、苦しそうに表情を歪ませながら言った
サクッ!
再び楓であるはずの女が男を刺す
「それ以上しゃべらない方が身のためよ」
記憶はないが父親らしき人物を放っては置けない
オギャァ オギャァ
やめろ!やめろ!と叫んだつもりだった
「うるさいガキだね!お前は次に始末してやるか、黙ってな!」
そういって見られた瞬間背筋が凍りついた禍々しいまでの殺意が《風》を通して伝わってくる
「楓をどこに飛ばした!《才》の能力者!」
その言葉にブルーの目の男を怪しい笑で見ながら言った
「アラ、冷たいじゃない名前で呼んでよ、は・や・と」
隼斗と呼ばれた男はさらに驚愕の表情を浮かべる
「お前、何故俺の昔の名前を知っている?」
女がまた怪しい笑いで答える
「アラ、忘れちゃったの?淋しいわ、まぁこの姿だから仕方ないかな、じゃあ、教えてあげる、私はアヤ、コードネームは"クレアシオン"
思い出した?お・と・う・さ・ん」
それを聞いた隼斗は顔面蒼白である
それを見たアヤと名乗った女は満足そうに笑うと
追い打ちをかける様にナイフを深々と刺した
「大丈夫よ殺しはしないただあなたの《時》の能力が必要であって…邪魔でもあるだけよ」
アヤがそう言った瞬間妙な格好をした男数人がドカドカと入ってきた
グッタリとした隼斗を連れ去ろうとする男達
オギャー!
やめろ!と叫んだつもりだった
次の瞬間物凄い勢いの突風が室内に吹いた
男達とアヤは吹っ飛ばされてカベに激突した男達は全員気絶したがあやは再び立ち上がる
「さ、流石は風神の児ね
だけど隼斗は…お父さんはわたさない!私は失敗作じゃない!」
失敗作?なんだよ!何なんだよ!
訳わからねぇよ!
そう考える内にアヤは隼斗に手を伸ばす
オギャー!オギャー!
やめろ!やめろって言ってんだろ!
と叫んだつもりだった
するとアヤは正確には楓だった女は
ビクン!と身体をくねせて力を失った様に倒れた
隼斗は息も絶え絶えに言った
「既に《離脱》の能力も持ってるのか…しかし、そう長くはないだろう
すぐ戻って来るはずだ…
俺に宿る全て…俺に残る全ての力をお前に残そう…そして、未来を託そう」
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