深夜過ぎ

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「遅くなってごめんな。」 彼は缶コーヒーを道路に置いて、私をそっと抱きしめた。 「ううん、カナタくん。遅くないよ、遅くない。」 私はギュッと彼の背中に腕を回して抱きしめ返した。 微かなタバコの匂いと彼の甘い香水の香りが鼻孔をくすぐる。 「大好きだよ、カナタくん。」 「うん、知ってる。でもこれからもずっとそうやって俺を甘やかしてよ。」 彼は私の首筋に顔を埋めて小さく笑った。 片思いは今日で終わりにしよう、そう思った次の日に私はカナタくんの思いを手に入れた。 これからは二人で一緒に幸せになろうね、と心の中で呟いた。 Fin
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