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「久しぶり。」
彼は裏門に背中をあずけて空を見上げていたが、私を見付けると軽く手を挙げた。
「うん、久しぶり。」
でも、私は毎日見掛けているんだよ。
「何か飲む?」
彼が近くにある自販機に移動するのを追い掛ける。
「ううん、飲み物はもう良いよ。」
「何だ、飲んでたのか?」
缶コーヒーのボタンを押しながら彼は私をチラリと見た。
「あ、うん。瑞樹と一緒に。」
「そうか。」
いつもより会話にならなくて、緊張でまともに彼の目が見られなくなる。
何故、わざわざ呼び出したりしたんだろう。
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