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「なに、そんな改まって。らしくないよ。」
冗談のように言い返すのに、彼は笑ってはくれない。
止めてよ、そんな目で見ないで欲しいから言ったのに。
視線を逸らして自販機を見つめる私に彼がポツリと言った。
「ずっとハヤカに甘えてた。」
「え?」
思わず彼を見つめて、真剣な顔の彼と視線がぶつかる。
「自分だけが苦しいって思って、癒してくれるのも当然だってどこかで思ってた。だから、ハヤカは俺の事を気に掛けてくれているのが当たり前みたいだった。でも、それって違うんだよな。」
ちょっと照れ臭そうに笑った彼がもう一度、表情を引き締めた。
「今日、メールを貰って考えた。」
「…何を?」
一体どんな言葉が出てくるんだろう。
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