深夜過ぎ

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「アイツと比較するのはハヤカの事なんだ。」 「え?」 「今日、メールくれただろ。あれを偶然見られてしまって詰られた。でも、ハヤカならもし見たとしてもそんな事は言わないだろうなと思った。アイツが何か言う度にハヤカと比較して、お前なら分かってくれるのにな、と思った。ただの甘えかもしれないけれど、ハヤカなら俺の事を分かってくれるのになと思った。」 「…うん。」 「お前が居なくなるのは嫌だ。ずっと変な罪悪感があって言えなかったけど。」 「うん…」 一旦言葉を切った彼は、緊張した面持ちで息を吸う。 「だから、ハヤカ。俺と付き合って下さい。」 「…カナタくん。」 ぼろぼろと溢れる涙のせいで彼の顔がちゃんと見られない。 でも、彼は笑いながら私の涙を拭った。
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