第0話

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膝の上に乗ったさくらは、下を向いたまま、此方を見ようとはしない 「どうしたの?さくらちゃん」 俺は、顔を合わせる為にさくらの体の向きを変え問いかけた 「…………」 しかし、問いかけても、さくらは黙ったままだった 部屋の中は、時計の刻む音しか聞こえない すると―― 「……あのね」 「……うん」 さくらは、おずおずと話し掛けてきた 「……さくら、ここにいても……いいの?」 「……」 俺が返答に困っていると、隣の部屋から親父が飛び出してきた 「剣弥!!」 「Σ」 さくらは、その声にびっくりして、俺の腕にしがみついた 「……何だよ、親父ιι」 「……話は聞いたよ」 「「………」」 俺とさくらは、親父の話を静かに聞いた 「……此処に住みなさい」 「それって……」 「さくら……ここにいていいの?」 「……いいのよ、さくらちゃん」 すると、隣の部屋からお袋が優しい顔付きで出てきた それを聞いた途端に 「……ヒック………ヒック………」 さくらは泣き出した 俺ら三人は、そんなさくらを見ながら 「「「ようこそ、さくらちゃん」」」 と、笑顔で言うと 「うん」 まだ、涙の残る瞳で、頷いたのだった
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