ホワイトデー☆パニック

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「うーん…」 放課後の教室で、ケータイの画面を睨みながらナオキは唸った。 「さっきから何してんのさ。早く帰ろうよ」 幼なじみにしてクラスメイトのアイコが唸るナオキを急かす。 「いや、マズいんだよ」 「何が?」 「イベント用の短編小説を書かなきゃいけないんだ。今日の夜中までに」 「へー」 「へー、って何だよ。興味なさそうだな」 「ないよ。早く帰ろ」 「いや、ちょっと待って!」 そそくさと帰り支度を整え始めたアイコを、あわあわとナオキが引き止める。 「いやもう、小説のネタがなくて困ってるんだよ。何かアイデアを頂けませんでしょうかアイコ様」 「苦しゅうない。帰ろ」 「いやごめん、少し一緒に苦しんでお願い!」 教室には、すでにナオキとアイコしか残っていない。 あからさまに面倒くさそうな顔をしながらも、アイコは懇願するナオキに向き直った。 「んもう、仕方ないなぁ。なに?小説のストーリーを考えてあげたらいいの?」 呆れた表情のアイコに聞かれ、ナオキはブンブンと首を縦に二往復させた。
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