ホワイトデー☆パニック

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「じゃあ、ちょっとだけ考えたげる」 手近にあった誰かの机をナオキの席までズルズルと引きずり、アイコはその上に腰掛けて自分のケータイを片手でパチンと開いた。 「…ナオキってさ、昔っから小説書いてる時が一番生き生きしてるよね」 「それは、褒められてるのかけなされてるのかビミョーなラインの判定になりそうだ」 ニヤリと挑発的に笑うアイコに、ナオキもニヤリと笑い返す。 「…ま、趣味があるってのはいいことだよ。私には小説書く楽しさなんてわかんないけど」 アイコは肩をすくめてそう言って、さらにこう付け加えた。 「だって小説なんてさ、所詮うそっぱちの絵空事じゃん?」 だがさすがにこの意見にはナオキも口を尖らせて反論する。 「そんなことないよ。小説も現実も紙一重。うそっぱちの世界だって、現実にしちゃえばいいのさ」 ナオキは自信に満ち溢れた清々しい顔で、そう言って胸を張った。
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