プロローグ

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浮雲 鷹人 東京都警察署本部特殊犯罪戦略科隊長 これが僕の父親の、浮雲鷹人の肩書きだった 正義感が人一倍強く、熱血漢で生真面目な警官だったらしい。 鷹人を慕っていたという部下が祭壇の前で泣き崩れる姉にそう言っていた。 父親の記憶。 早い内に僕達兄弟は母親を亡くしていた。 父親も仕事柄めったに家には戻らない。 父親に関する僕の記憶は実にぼんやりとしていた一緒にキャッチボールをしたとか、遊園地に行ったとかきっと他の家庭ではあるであろうそういった類の記憶はない 記憶にあるのは母親を亡くした日、 「引きずり出してやる」とこぼしたあの言葉 その言葉に何かただならぬ決意が込められていたのは幼心でも解るほどであった
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