悲劇の始まり

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まぶしすぎて何がいるのか全くわからない いや、このきらびやかな感じは…まさか龍神(シェンロン)か!? 恐る恐る得体の知れない何かを凝視する そこには、なんと… …なんじゃこりゃあ? 天使か?悪魔か? それとも堕天使か? いや、その前に明るかったのは手に持ってる電球のおかげだったのか そしたら尚更誰か分かんねーじゃねーか 心の中で気ままな思索が繰り広げられているその時、謎のおっさんが喋り出した 「電球の電池切れそうだから頂戴」 「それだけの為にここに…?」 「いかにも」 ヤバい、怒りゲージが80%を越してきた あと何か軽い一押しで100%はいっちゃうよ いや、いっそのことリミッター解除して真の力を解放しようか 「戦闘力∞のオレの力ナメんなよ!」 「いや、わし、戦闘力∞×∞やし」 「なん…だと…?まさか…お前は…!?」 「そうさ、正しくオレは―」 その時、階下から鬼という名の母さんがソニックよりも速く接近する! マズイ! これは地球滅亡よりもマズイ! 大体うちの母親はトラより速くなったら命に関わる程度の危機に瀕すると考えていい その点から考えると… 今は地球滅亡どころか銀河系消滅危機にさしあたっていることに等しい! 巡りに巡らせたその思考は自然と謎の電球おじさんに対象が移る 「おい、じいさん!今すぐ逃げた方がいい!」 「わし、逃げないといけないようなこと、してないし」 「しとるわボケェ!」 あ… 一足、いや50歩ほど遅かったようだ 昔の人は五十歩百歩と言いました 意味は平たく言えば五十歩逃げた人と百歩逃げた人も大して変わらないということです …50歩あったら母を振り切れなかっただろうか? いや、振り切れたに違いない これは反語と言う テストに出るから覚えておくんだぞ! 「か、母さん、まぁ落ち着いて」 「そんなデカイ声だして騒いだらご近所迷惑だろが!」 「今の怒鳴り声の方が近所迷惑なんじゃないかい?」 …ピキッ あ、あのじいさん、母さんの逆鱗に触れやがった もうこうなったら逃げられない なんたって戦闘力∞×∞×∞だからな… 「今の若者は自分のことすぐ棚にあげるから世の中が廃れるんだ。第一お主が…」 あぁ…あのじいさん、あれが遺言だな… 「ファイナルクラッシュ!」 その後、オレの家は跡形なく散っていった…
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