悲劇の始まり

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謎のじいさんとも別れ、家が無いのでネカフェに行って時間を潰しながらジジイとの会話を思い返していた 「魔王を倒してくれないか!」 その言葉がオレの心に響く しかし、そのもう一つ横にあるオタク心が言葉を発する 「どうせならまどマギみたいに『僕と契約して魔法少女になってよ!』って言われた方がよかったなぁー」 お前少女じゃねーじゃん そんなツッコミ入れようとした奴、よく聞けよ オタクは皆、一般的な思考を司る機関、つまり普通な心以外に、オタク心という心が存在する その心の中には性別の壁を超越した物で詰まっているんだよ… 思考を司る機関って脳なんじゃね?って思った奴、空気を読みなさい 「はぁ、オレもソウルジェム持って『ティロフィナーレ』って叫びたいよ…」(まどマギ参照) そして、その日の夜… いよいよ決断の時… 屋上にオレと例のジジイが居合わせた Tシャツ一枚だからだろうか、夜風が何気に寒い しかし、この世の中ではオタクは風邪を引かないっていう言い伝えがあるからな オレは風邪を引かないはずだ うんうんと自問自答で会釈していると、ジジイが会話を切り出す 「行く決心はついたか?」 ここで一番気になっていたことを尋ねる 「報酬は?」 「アニメイトカードのポイント、50000ポイントじゃ」 ガシッ オレはジジイの手を両手で握った そう、これぞ正しく即答だった 「承りました」 コンマ1秒の出来事だった… 「ところでお前、パスポートは持っとるのか?」 「そういや無いな…」 お金は全て、嫁の為に使っていたからな 海外なんて行くお金が無かったからな ブルジョアが羨ましいぜ! 「そう思って作っておいてやったぞい」 「おぉ、サンキュ」 手に取って色々見回してみる すると顔写真が見えたのだが… 「どうじゃ?似とるじゃろ?」 「なんで顔写真がシュレックなんだよ!」 「おっと、肌の色を青にしとくのを忘れちまったわい」 「それでもまだ足りねぇ!てか、それ逆効果!」 「大丈夫だ、問題ない」 「大有りだ!今すぐ変えてこい!」 「だが断る」 「即答すな!つか逆接表現使う意味ねぇよ!」 「いよいよツッコミキャラが定着してきたか?」 「嫌々やってんだよ!」 「またまたぁ、ツンツンしちゃって~。こりゃデレる時が楽しみじゃい」
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