旅立ち

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空港についたオレたちはひとまず飯を食べることになった 「じいさん、何食いたいんだ?」 「んー…ピチピチのお姉さん」 「リアルには興味ねぇよ」 「3次元から離れ過ぎるとろくなことないぞい」 「いいんだよ!理想の女性が存在する世界に飛び込む方がいいじゃないか!」 「お前の将来を思って言ってるんじゃぞ!」 「この世に、オレの嫁に似た奴なんか、どこにいるんだよぉぉ!」 「焦るでない。きっとこの世に現れるに違いないだろう」 「じいさん…ってもう2次元にその理想がいるからもう3次元には用ないじゃん?」 「じゃから、その様なことでは将来が…」 「あぁもう、うるさいうるさいうるさーい!魔王倒してやんねーぞ!」 「スミマセン、ごめんなさい」 「分かればいいのさ、分かればね」 「あのー…お取り込み中申し訳ありませんが…」 「?」 ジャララ 「!?」 おいおい、下手に出た癖にこの警官、手錠ブンブン振り回してるぜ 危険極まりねぇよ 「あなたたちを騒音公害の容疑で逮捕します!」 「そんなにうるさかった!?」 「大人しく捕まれば痛いようにはしません。抵抗はやめなさい!」 ぬぅ…ここはどうするべきだ? よく状況を考えろよ まずオレたちはオランダに向かわなければならない その為には飛行機に乗ることが必要不可欠 てことは、ここで捕まるのは得策ではない訳だ かといって逃げると全国指名手配犯となり、賞金首として名高くなり、しまいには首が30億ジェニーで取引されるほどだ 首をひねって考えていると、ある人物が視界に入る 「あ、竜二じゃねーか!助けてくれよ!」 少し距離があるせいか、全く反応してくれない なので、もっと大きな声で呼びかける 「おい!竜二!助けてくれ!」 …… 全く反応してくれない… 何だ?あいつ 『返事がない。ただの屍のようだ』状態じゃねーか !? そうかぁ… あいつ、オレと共犯者と思われるのが嫌なんだな? 自意識過剰すぎるだろ! マジきめぇよ! 『君の瞳に恋してる』とか言ってナンパしてる奴より気持ち悪ぃよ! だいたいそーゆー奴は恋してねーんだよな これだから女ってやつぁ 上っ面の言葉にすぐ騙されるんだからー 「逮捕!」 「ゑ?」 一人で語っている間に牢屋行きが決定してしまった… 「これぞまさしく前途多難だ」 「うっせぇ!」 「だが断る」 「せめて会話ぐらい成り立たせろ!」
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