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キンコーンカンコーン
再びチャイムが鳴り響く。
「んじゃ、今日はここまでだネ、これだけやれば君も魔王マスター!」
びしり、指差しどや顔した後、何故か高笑いしながら去っていく教師。
彼女、名を穂香という。
因みに上の名前を知っている生徒は一人も居ない。
「おい束、さっさと飯食いにいかねー?」
ふと、後ろから声をかけられたので、取り敢えずシカトを決め込み机に突っ伏してみる。
そしたら後頭部を殴られた、痛い。
「てめぇ……、人のことシカトするたぁいい度胸だ」
ガシリ、頭掴まれ顔を引き上げられる。うぜぇ、と素で思ったがそんなことは表情には出さずにただ、
「おはようございます、今日もいい天気ですね。
これで君が死んでくれたらもっといい日になるのに、」
と満面の笑みを浮かべ、答えてやると、
「おま……、まぁいい、そんなのは後だ、
早く行かないと食いっぱぐれる」
早く早く、とどこぞの少年探偵のように急かすのは、針鼠のような髪型をしたちょっと大柄なおっさ……青年。本当にキモい。
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