第12話 ゲームの終わり

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その言葉だけで構わない 感じている手の温もりだけでちゃんと伝わっているから その瞳があまりに多くを語っているから 私はただ頷いて微笑むだけで それだけでお互いの気持ちは伝わっている ドラマみたいなハッピーエンドは現実にないことくらい分かっている。 あのハッピーエンドの後にだって物語は続いていくのだ。 私たちになら尚更その続きは険しいものになるだろう。 それでもこの人の手を取りたいと思った。 信じたいと思った。 これから先の苦しみに押し潰されそうになっても後悔したりしない。 今日ここに来なければもっと後悔したはずだから。 もう、ドラマもゲームも終わったんだ。 今、生きる現実こそが 彼と踏み出す一歩からが新しい物語の始まりだ。       never ending story………
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