突然の別れ…

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佐伯 里香(さえき りか)と戸越 翔太(とごし しょうた)は、付き合って、3年になる。今日はお互いに仕事が休みで、会う事になっていた。 待ち合わせ場所に里香が先に着いた。 いつも待ち合わせているカフェで、ダージリンティーを注文。 【カラーンカラーン】 「いらっしゃいませ」 女性店員の明るい声が、店内に響く。 店に入って来た男性は、里香の座っている席へ向かう。 そして… 「里香…」 「あっ…翔太…」 翔太は里香の真向かいに座る。コーヒーへを注文。 「里香、実は…」 「えっ…何?」 「実は俺…転勤が決まったんだ…」 「えっ…転勤って…そんなの聞いてないよ…何でもっと早く、話してくれなかったの?!!」 「だって里香…仕事忙しいみたいだし…なかなか会えなかっただろ…」 「だからって…連絡くれれば…」 「ごめん…」 「転勤先はどこなの?…まさか…海外じゃ…」 「その海外なんだ…アメリカ…ワシントン…」 「そっ…そんなっ…」 「……」 沈黙が続く。 翔太はコーヒーを一口啜り、話し始める。 「里香…もう終わりにしよう…」 「えっ…今…何て…」 里香は翔太の顔を見る。真剣な表情である。 「里香だって仕事辞めれないだろ」 「そっ…それは…」 「里香…ごめんな…」 翔太は立ち上がり、伝票を握り締め、その場から立ち去った。 「翔太、待って!!」 里香は翔太を追いかける。
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