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「それが体弱くて全然学校行けなかった幼なじみに言う台詞かよぉ……」
怒っていたかと思えば、今は寂しそうに落ち込んでいる。
ガキのように表情がコロコロ変わる奴なのだ。
まあ、いつものことなので焦りはしない。
大体こいつとは十五年の付き合いだ。
こういうときの対処法は熟知している。
「ああ、はいはい分かったよ。
拗ねんなって、頭撫でてやるからさ」
「うわーい! 撫でて撫でてー!!」
単純な奴。
でもこいつに友達が居なかったというのには、休みがちだったことに加えてもう一つ理由がある。
それは彼女の容姿だ。
十五歳という年齢には合わない、白い髪。
そして非現実的な紅い瞳。
そしてそれらは故意的に弄られたわけではない。
全て天然のものである。
そう、俺こと『高原 夏輝(タカハラ ナツキ)』の幼なじみである『向井 日向(ムカイ ヒナタ)』は、遺伝子疾患であるアルビノだった。
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