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「女性がこの船に乗っているとは思いませんでしたよ」
「…関係ないだろ」
「てっきりエドワード王子は女性嫌いなのだと思っていました。しかし、女性がそばにいるとなるとターシャ様はさぞ心配なさるでしょうね」
―ターシャ様って誰だろう?
シャルディはなんとなく隔たりのある2人を見て妙な胸騒ぎを覚えた。
「ねぇ、エディ。そちらはどなたなの?」
彼女がこっそりと尋ねると、彼は観念したように口を開いた。
「この人は母さんの侍従…イヴァンだよ」
エドワードのお母さんといえばこの国の何番目かの王妃ということになる。
―そんな人が何でここに?
「初めまして、レディ。只今ご紹介に預かりましたが、私は王宮のアナスタシア妃殿下にお仕えしておりますイヴァンと申します。お見知りおきを」
イヴァンはそういってシャルディに微笑みかけた。
―ああ、なんだか嫌な予感がする。
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