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結局、何の情報も得られなかったアナスタシアはアンドリューが部屋を出ていくなりぐったりとソファにうなだれた。
アナスタシアとしては大きな期待があったため、空振りに終わったのは大いなる痛手だった。
「結局、収穫なしね」
大きなため息をつく。
しかし、イヴァンは微笑みを浮かべたまま言い放った。
「いえ、そうでもないですよ」
アナスタシアは疑問に首をかしげる。
「どういうこと?何かわかったって言うの?」
「わかったのはアンドリュー王子がエドワード王子に会ったことです」
「でも彼は会ってないと…」
「おそらく、隠したのには彼は彼なりの意図があったのでしょうが…会ったことは間違いないと思います。証拠に彼は動揺してましたから」
どうやらアナスタシアは気づかなかったことをイヴァンはしっかりと見抜いていたらしい。
「…確信があるの?」
「もちろん。私が思うにアンドリュー王子はこの後、エドワード王子に連絡を取るでしょう。そこを利用すればエドワード王子を帰還させることも可能かと」
「そう」
「少々手荒な手段になりますが、許可を頂ければ今すぐにでも対応いたします」
「エディのためなら仕方ないわね。いいわ、許可する」
イヴァンはアナスタシアの言葉を受け、部屋を出て言った。
「エディ…わたしのエディ。早く会いたいわ」
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