寺院

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俺は銀の弾の代わりにテレパピンを使う。なんだって上手くいく秘訣は相手にはなく自分にある。【※テレパピン=南米産の蔓から抽出される幻覚アルカロイドのテレパシンに抗痙攣作用のあるジアゼパムとガマの油、阿片、月の砂漠で採れるサボテンを、ベ博士が独自に調合した粉末状の薬剤。】 地下の入り口には、いかにも信仰的狩人。精神のコントロールを阻む力を誇示した浅黒い肌の坊主が二人、オカマ然として立っている。テレパピンを使い魂霊となり奴らの確信霊にコミットする。偽物と思わせる事で奴らのの内的防御の空きに滑り込む。さて…お前たちは全て手放すこと。お前たちの子供、内なる男もだ。最初から何も無い。歩きだす魂はそのしなやかな肌に侵されている。娘さん、淑女のように身体を仰け反らすんだよ。男の中の男と自負するなら、俺の事は何も喋るな。なに一つ。この先の男たちに魂を渡すわけにはいかないだろう。聞き分けの良い子供でいたいその気持ちは母親の腹の中に置いておく事は出来ない。なに一つ喋るな…なに一つ喋るな。男の中の男だろ。男の腕の中で安心して眠るんだ。魂霊を見ると思わせる事と反対に… 眠るんだ。なに一つ喋るな…語る分けにはいかないはずだ…なに一つ喋るな……、 死人にクチナシ。テレパピンを操り坊主二人を追いやった。今や坊主は男の中の男に抱かれ指を咥えている。魂霊は痙攣し身動きが出来ない。立ち尽くし射精し続ける幻覚坊主を後に俺は地下へ降りていく。
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