街の下

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この街にもホームレスはいるさ。 いや何処でもいる。カラスみたいなコートを羽織ってさ。 背骨をしっかりさせときたかったら、ムカデ薬の粉を吸えばいい。 本当の自由さ。 ま~この粗悪な薬で頭のイカレたホームレスが何処でもいるだろ。 群れを作るのはそいつの持ってる生きる本能さ。自由勝手な本能の集まった場所が何処の街でもあるだろう。 合成酒。ポン引き。からくりサーカス。精液を拭ったハンカチーフ。金持ちのケツの穴。オカマヤクザ。みるにみかねたバカな正義漢は道端で血だらけ…ムカデ薬。 教養は罪となり隣人が敵となる。 妄想で人生を切り替える。腐敗臭と林檎の香りのするスタンド。 クリームとワセリン。不潔な水で溶かして感染している注射針で打ち込む。毎日届く明日。 まぁ、そんな街がここにもある。 だけどよ、見えるところはまだいいんだ。なんでもそうだろ。問題は内っ側で起こってるんだから。 見えない街がこの足の下にあるんだ。そこに行きたいんだろ。あんた。本能が病んでる顔してるもんな。底は温かいぜ。
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