第1話~その3~:竜海

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  どこかで見た事がある気もするが…タイの色からして、同じ学年の奴だろう。 「……なんだ?」 「え、あ、その…あの…もしかして、具合でも、悪いのかと…思って…だから…」 怯えているのか、しどろもどろになりながらしゃべるそいつの手には、濡らされたハンカチ。 「…ちげーよ…」 正直、戸惑う。 高校に入る前から、この目付きとか、色んな噂とかで、俺に近づく女なんかそうはいない。 …俺を知らないのか? 知らないにしても、普通、近付かないだろうが。 .
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