第1話~その3~:竜海

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  「…良かった…」 「!」 そいつは、それまで不安そうにしていたくせに、そう言うと ふにゃっ、と顔を緩ませた。 「あ、具合、悪いんじゃないなら…えと、邪魔して、ごめんなさいっ」 「あ、あぁ…」 「今日、暑いから…気を付けて、下さい、ね…鶴瀬くん」 名前を呼ばれてまた驚く。 俺の事を知ってて、心配、したのか? 「ま~ほ~!? どこ行った~!?」 「あっ!い、行かなきゃ!」 「お、おい…っ」 声をかける間もなく、そいつは走って行ってしまう。 .
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