プロローグ

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───ボゴッ!! 低く鈍い音が響き渡った。 しかしその音は袋叩きにされていた中学生がバットで殴られた音ではなく… 「ダチを返してもらうぜ」 バットを持っていた高校生が突如現れた中学生に拳で殴られた音だった。 「……っ!だ、誰だテメェ!」 「先輩、こいつ“鷹”ですよ!」 「たか?」 「その名字と異常な速さから鷹って呼ばれてる松園(マツゾノ)中の“鷹匠 氷牙(タカジョウ ヒョウガ)”です!」 「へー、こいつがあの鷹か…」 「どうしますか!?」 「たかが中坊だろ。袋にすれば一瞬で終わる」 「でもっ!」 「鷹だかなんだか知らねぇけどよ、こいつはこの俺を殴ったんだ。俺はこいつをゆるさねぇ、全力でぶっ潰せ!!!!」 廃墟の地面に高校生数人が倒れている。 そして赤い夕日の中、先ほどの中学生がボロボロになったその友達をおぶって廃墟をあとにした。 .
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