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俺はS、菖蒲と遼はA、猛はDというクラス分けに従い各自教室に向かうと、まだもう少し時間がある為か人もまだ疎らにしか来ていなかった。
多分親しそうに話している奴らを見ては中学校からの同級生や何かだろうと思い、黒板に貼り出されている席順を見る。
窓際の一番後ろの席が俺の机らしい。
絶好の昼寝ポイントだな。
「あのっ!もしかして君が外部からの新入生?」
「………誰?」
「あっ、ごめん!僕は澁谷 雅。よろしくね?」
「……僕は東雲 昶。よろしく。」
馴れ馴れしい奴だなと感じるも低身長の上に女みたいな顔と名前をした雅を直ぐに覚えた。
柔らかそうな髪を見て撫で回したくなったのは内緒だが。
「じゃあ…」
「あっ、待って!あっあのっ、良ければ僕と友達になってくだしゃいっ!」
「………いいよ?」
「えっ、本当に!?」
「………うん」
まさか俺が承諾するとは思っていなかったのだろう両の目を見開き唖然としているのを見て不覚にも微笑んでしまった。
何故か目の前に居る雅が顔を真っ赤にして金魚のように口を開閉させているので首を傾げる。
理由が解らない為に風邪かと結論付けては、周りの生徒からやっかむような悪口が聞こえるが俺は気にしない。
「……席行くから、後で」
「うっ、うんっ」
颯爽とその場を離れては自分の席に着くと携帯を開きアラームをセットし、死角になるよう鞄の影でカラコンを外してはそのまま時間まで眠りに付いた。
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