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頬を引き攣らせながら立っているホストを見つつ、小さな欠伸をすると舌打ちが聞こえた。
「ったく、面倒臭い生徒預かっちまったぜ…」
「………先生」
「あぁ?」
「始業式…時間……」
「やべぇっ!テメェ等、直ぐに廊下に並べ!」
文句を言う目の前に居るホストを見つめて始業式の始まる時間が近付いている事を教えると、焦ったように呟いては教室の生徒に指示を出す。
解放された事に小さく息を吐くと肩を掴まれ振り向けばホストが嫌な感じの笑みを浮かべていた。
「お前にクラス委員任せっから。頑張れよ、東雲?」
「…………はぁ」
やられた…。
さっき返事をしなかった仕返しをこういった形でされるとは思ってもみなかった。
頼まれた事を無下に断る訳にもいかねぇし適当に仕事すりゃ良いか。
「ねぇ……」
「……………誰?」
「同じクラスの相川永二。その髪と眼鏡って変装だったりする?」
「えっ………?」
先程からじっと見て来ていた男子生徒、相川永二からいきなりの虚を付いた質問に目を見開く。
とっさに話しを逸らせば良いもののを今の反応でどうやら核心にたどり着いたらしい。
「っしゃぁぁっ!王道ktkr!やっぱ男子校入って良かったわぁ!」
いきなり口調が変わり意気揚々と喋り出す永二に俺は唖然としていると先頭の方に居た雅が列を抜け出しこちらへとホストに気付かれぬように紛れ込んできた。
以外と大胆な行動も出来たんだな…雅。
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