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ホストは耳栓を用意してたのかしっかり装備してから扉を開けた。
ちょっと待て!
まだ耳塞いでn……
『キャァァァー!神崎先生ー!』
『今日もカッコイイー!』
頭に響く程の嬌声と奇声に気を失いそうになるが何とか平静を保つ事が出来たのは絶対に奇跡と言えるだろう。
いや、そうでなかったら俺は可笑しくなったも同然だ。
などと考えていれば目の前に菖蒲が居たので目を見開いてしまう。
「昶さ~ん、大丈~夫~?」
「菖蒲、何で此処に居るんだ?」
「えへ~…中庭で寝てたら~始業式の事~すっかり忘れてて~」
「急いで来たら俺を見つけた訳、か?」
「正解~!さすが昶さ~ん」
「ったく、早く列に戻れ…遼は怖いぞ?」
「は~い…」
普段から遼と行動していた菖蒲の事だからその恐さは知っているだろう。
若干頬を引き攣らせているのが良い証拠だろう。
雅達も菖蒲と話しをしているのに気付いては居るが耳を塞いでいた為に内容までは聞こえていないだろう。
「昶君…大丈夫…?」
「顔が青白くなってんぞ?」
「無理…」
「だよね(な)…」
苦笑を浮かべる雅と永二に返事をするも、少しばかり足がフラ付いてしまい俺も苦笑するしかない。
回りの連中なんて憐れむような顔で見てくる。
普段は真面目に聞いててやる方だがこの始業式は全く話を聞かずに寝ると俺は心の中で決めた。
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