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辰哉が微かに震えながら悶えていると忍が不意に顎に手を伸ばしてきたかと思うと上を向かされ顔が近付いてくる。
何事かと思えば唇に当たる柔らかい感触……。
……って、ちょっと待て!?
俺の初キス…忍さん!?
「んっ…はぁっ」
「昶君…私と付き合いませんか?」
「付き合うって何処に?」
「テメェ、忍!抜け駆けすんなっ」
「んむっ…んんっ!」
忍の唇が離れ初キスが男と言うショックと恥ずかしさから顔が赤くなっているのが解る。
やべっ、泣きそうとか思っていると間髪入れずに今度は辰哉の唇に俺の唇が塞がれる。
しかも今度は舌まで入ってきてるんだがっ!?
「んっ、ふぅっ…いい加減にしろぉっ!!」
「ぐはっ、良いボディブローだぜっ…」
「眼鏡は返してもらうからな、変態理事長っ!」
「おいっ忍だって…」
「忍さんは紳士だから許せんだよっ!」
俺は赤い顔を手で隠しながら眼鏡をすると壇上に向かう。
身長181の男にキスして何が面白いんだ、アイツ等はっ!
壇上に立つと頭が冴えてきて顔の赤みも引いて行く。
取り敢えず新入生らしい事を言おうと演説をしては、ふと視界に入った理事長を見ては顔を輝かせるので素晴らしい程の笑みを浮かべ告げる。
『素晴らしい学園生活を送りたいと思いますが、変態理事長は爆ぜて居なくなれば良いと思います』
「ちょっ、酷くねっ!?」
「まぁ、自業自得でしょうね」
「テメッ、忍ぅ!?」
『あっ、それと忍さん。相談があるので後で理事長室に行きますね?』
「はい、待ってますね」
それだけ言うと礼をして壇上から降りては清々しい顔で席へと戻った。
理事長、ショック受けてたな。
良い気味だっ!
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