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席に戻ると復活した雅と永二が俺を迎えてくれたが、理事長爆ぜて居なくなれ発言に面食らった顔をしている。
まぁ、今は無口キャラな俺があんな発言をするなんて思ってもみなかったのだろう。
「昶君…理事長に何されたの?」
「……別に」
「もしかして、キスとか?」
「……………」
「マジで?」
「……………っ!」
永二の図星発言に何も言えなくなったのと、顔も赤くなったのを見ては背後からどす黒い気を感じ微かに頬が引き攣る。
いや、今のはコイツ等が悪い。
というよりも永二が全体的に悪い!
遼…お願いだからその殺気を引っ込めてくれ…。
「昶さん…こっち向いてください」
「………遼、怒んなよ?」
「怒りませんから早く」
「……わかった」
恐る恐る振り向くとそこには恐ろしい程の笑みを浮かべた遼と菖蒲が居た。
菖蒲が通ってきただろう道には、鼻血と歓喜に震える男共がトイレにダッシュしていた。
………お前は一体何をしたんだ?
というかお前等、始業式の最中に何してんだよ。
「消毒しないといけませんからね…失礼します」
「あぁ?……んんっ!?」
「あ~、藤ず~る~い~!」
それだけ告げると顔をホールドされそのまま唇を重ねられた。
今日でもう三回目だぞ?
いい加減に俺の唇を奪う輩共を無に返してもよろしいでしょうか?
そう思うが早いか俺は遼を引き剥がすと指を鳴らしてはこちらに走り寄ってくる犬(猛)の衿を掴み耳元に唇を寄せ囁くように命令する。
「今すぐ遼と理事長を沈めて来い。出来なかったら一生俺の部屋に遊びに来させねぇからな?」
「ひっひぃっ!!昶さんが切れてるっす」
「あちゃ~…怒らせちゃった~?俺は~し~らない!」
「菖蒲…お前も猛と一緒に命令成功させねぇと俺の部屋には絶対入れねぇから覚悟しとけ?遼は…大人しく殴られてろ」
「そっそんなぁ~っ!」
雅と永二に口調が変わったのがバレぬ様に微かに声のトーンを落として告げては、耳栓をするとまた腕を組んで睡眠を取った。
後に雅から始業式後に遼と理事長を般若の形相でフルボッコにした菖蒲と猛の話を聞いた。
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