EPISODE.1

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校門前に居る警備員に寮の位置を教えてもらい、荷物の事もある為に先にそちらへ行くと決めた。 寮の傍に駐車場もあるらしくそこに立ち寄りバイクを置いてから寮の方に向かうと、入口の方で盛大に手を振っている人影を見つけ俺達は苦笑した。 「昶さ~ん!こっちっすよ!」 「随分来るのが早いな、猛?」 「へへっ、昨日の夜に必要な物纏めて直談判に来たんでそのまま寮のロビーに泊めさせてもらったっすっ!」 「そうなのか?身体痛めたりしてないか?」 「だだだ大丈夫っすよ!昶さんに心配して貰えて俺、感激っす!」 目に見えない尻尾を振っている猛の金髪に赤でメッシュを入れた髪を優しく撫でていると、不意に菖蒲と遼に引き剥がされた。 「馬鹿犬…昶さんは此処では只の一般人として過ごすんですから私達も出来るだけ四神の幹部と言うことは隠さないといけないんです。ちゃんと、この意味わかってますよね?」 「そうだよ~?昶さんは~俺達の総長であり紫眼の白虎だって事は隠さないと~。此処には他のチームの総長とかも通ってるって~噂だしね~?」 「わっ解ってるよっ!俺達しか白虎の正体知らねぇから他の奴らが血眼になって捜してるのもよ…」 「なら、これからは発言や行動には気をつけなさい。今は私も菖蒲も変装してるから良いですけどその事がバレたら昶さんが狙われます」 「そうだよ~?昶さん無自覚天然エロスだから俺達が守らないと~。その前に~猛も変装しないとね~」 途中から俺を余所に話をする三人を見ていたが、今の内にと寮内に入りフロントに居る人物と話をしようとそちらに向かった。
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