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「おはよう!」
その声に目が覚めると、ダンが目の前に立っていた。
「ダン! 昨日はどうしたのだ?」
「わかんない。でも……頭がすごく痛くて、堪えられなくなっちゃった」
人間の耳には、魔物の声は理解できない。辛うじて聞こえる声で、鳴き声に聞こえるだけだ。ダンはすべて音を拾っているから、耳が発達しているんだろう。でも、体に悪いのかもしれないな。
「あのね、名前考えたんだよ! 〝フラン〟。どうかな?」
「フラン……?」
「うん! お友だちになろうよ!」
「友だちか……使い魔ではないのか?」
「そういう意味になるかもしれないけど、友だちっていう関係の方が楽しいよ?」
友だち。そういうのもいいかもしれないな。前の主とは、仲は悪くは無かったが、友とは、なれなかった。なろうとは、お互いしなかった。
「そうだな」
そう答えると、ダンの手のひらからオレンジ色の光がともり、私の中に入り込んだ。
これは……。
「なんだろう? この光」
「使い魔契約が完了しているな」
「えっ、でも、倒さないといけないんじゃないの?」
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