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「魔物と話せる時点で不思議なのだ。あと一つや二つ、ありえん能力があってもおかしくはなかろう。これからよろしくな。ダン。なにかあれば呼ぶといい」
「うん。よろしくね。フラン」
にっこり笑って、私にのぼろうとした。
「と、届かない……」
背に手が届かず、ぴょんぴょん跳び跳ねていて、思わず笑ってしまい、ふせの格好になった。それでもダンの身長くらいあって、乗るのに苦労していた。
前の主の時は、私が抱っこしてもらったこともあったくらいなのに、逆の立場というのも楽しいものだ。
「フランって、温かくて、やわらかいね……」
その言葉に微笑んで、立ち上がった。
「どこに行くのだ?」
「僕の家に行こう。フランを紹介するんだ!」
ダンがはしゃいで、あっちだよ、と指差した。
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