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「しかし、中々丈夫な身体だな」
「いやん♪丈夫な身体なんて、亜希斗さ―やめてくださいー!!!!」
少女の余裕さに腹が立った亜希斗は手にした国語辞典を振りかざした。夕焼けに金属の角が光り、赤く染まる。
それはこれからの少女の結末を物語っているようだった。
「わ、分かりました!!話します!先カンブリア時代から現代まで語る勢いで語りますからぁ!!」
少女がそう言うので亜希斗は少女をフローリングに舌打ちをして押し倒した。
少女の可愛らしい顔は涙と鼻水と唾液とで酷いものになっていた。
「はぁ、はぁ・・・。こんなか弱い女の子を押し倒すなんて」
「丈夫な身体のくせに」
少女はゴスロリっぽい服の袖で液体を拭い、亜希斗を見つめる。亜希斗も少女を見つめる。視線がぶつかる―こんな出会いじゃなきゃ
「あの、亜希斗さん?」
「なんだ、今から尋問するから遺言くらいは聞くが?」
「ちょ、話し合うだけですよね!?尋問って!!」
恋になっていたかも、亜希斗は小さく溜息をついて少女の服の襟を掴み、部屋に引きずり込むのだった。
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