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「しかし、意外に片付いてますね」
「まあ、これでも綺麗好きだからな」
亜希斗は部屋を見回す少女の前にシュークリームとホットココアを置き、腰を下ろす。シュークリームの上には粉砂糖がまぶしてあり、雪の積もりかけた雪原のようだ。
「あれ、尋問するんじゃ・・・?」
「あん?しないよ、面倒だしな。とりあえず食え」
「あ、では遠慮なく―ハムッ」
少女は小さな口を開き、パイ生地をかじる。サクサクと軽い音を立てて、食べる。
「あ、美味しいです!」
「だろ?シュークリームって言うんだ―って、シュークリームくらい分かるか」
口周りにクリームがついても気にしないで食べ進める少女に亜希斗は苦笑いで尋ねる。
「いいえ!初めて聞きました!魔界にも『死雨暮忌ム』って似たような小説はありましたが―私は断然シュークリームが気に入りましたね」
「小説か・・・。なんか気になるな」
亜希斗は本を読むのが好きで、「本」や「小説」という言葉に反応してしまうのだ。
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