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「じゃあ、あとで転送しておきます」
「頼む―って、俺、魔界文字読ねぇな」
「あー、日本語訳したやつありますので大丈夫ですよ」
「そうか。助かる―って。おっと、お前の名前聞くの忘れてたな」
亜希斗は思い出したように言い、頬にクリームと砂糖を付けた少女に尋ねる。
彼女はちゃんとやる場と分かってか、口周りを袖ではなくティッシュで拭き言った。
「申し遅れました―私、ミヨカ・バハムートと言います。魔界の王から命を受け人間界に参りました。あと、一応姫様です」
少女―ミヨカは立ち上がり、ドレスの端を持ち上げ会釈した。
「へー、大役だな。あと、姫はついでなんだ」
「まぁ、それは置いておきまして。とにかく、行く前に皆からお祝いしてもらいましたよー」
「よかったな。で、魔界からの命って?」
「えーと、なんか魔界で大戦争があるらしいので『輸血』用の血がいるようでして」
「で、人間から血、取ってこいか」
「はい」
「なんで俺んとこに?」
「亜希斗さんに血の選別能力があると水晶占いで出たので。あと、私のタイプだったので」
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