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「で、なんで要るんだ、俺の能力が?」
「王曰く、良い血が欲しいようで亜希斗さんと一緒に生活して、能力を貸してもらえって」
「うん、じゃあ帰れ」
「はーい。いやいや、駄目でしょ!」
「ちっ」
亜希斗はわざと大きく口で舌打ちを言った。そっちの方が相手を不快にする、と思ったからだ。
ちなみにさっきから「」続きだったのは、やらないと彼が言った尋問が行われていたからである。
「そんなに嫌ですか!?口で言わんなんほどに、嫌ですか!?」
ミヨカはココアを飲み、叫ぶ。目尻には涙を浮かべており、ショックだったようだ。やけ酒ならぬやけココアである。
「当たり前だ!なんで悪魔と一緒に生活しなきゃいけないんだよ!」
「はっ!私は吸血鬼で悪魔の中でも高位な種族ですよ?だから、亜希斗さんを襲ったりしません!」
「携帯を爆散させたやつの台詞なんか信用できるか」
亜希斗は先程破壊された携帯電話を机に叩き出した。タッチ機能搭載の大画面は四方八方に亀裂が走り、見るも無惨な状態と化していた。
さらに言うと、叩き出した際に微細小の硝子片が宙に舞った。
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