あの日

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「…。」 何て言えばいい? 何も言葉が思いつかない…。 「髪もほんとはすごく長かったんだ。でもね、親友と思ってた人に切られちゃった。」 彼女はショートカットの毛先を触って、笑顔で話してくれた。 「…。」 どんな気持ちで話してるんだろう…。 何でそんな笑顔なの? 「それでね…。」 「もう何も言うなよ。」 彼女は全身震えていた。 そして、顔から滴るのは雨ではなく、間違いなく涙だとわかった。
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