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という自分の思考を無視して黒髪の美女に声を掛けた。
彼女は、知らない人に声をかけられてビビったのか、弾かれたようにこちらを向く。
そして、俺の制服姿を見て少しだけ警戒を緩めてくれた、
「あ、あの、確かにそうですけど、どうして私の名前を?」
わけではなさそうだ、だって目が若干怯えてるもん、
ここは怯えないようにオブラートに包んでいくか、
「あれ?分かりませんか?俺、野村さんと同じクラスだったはずだけど」
オブラートに包むどころか、真っ赤な嘘をついてみた。
ちなみにクラスは、俺が二年二組、野村さんが二年一組になる。
「えっと、確か自己紹介は――」
ここであらかじめ息を大きく吸っておく。
「趣味は読書、と見せかけて年甲斐もなくガシャポンをやっている、特技は特にないと答えていたが、勉強というのが正確だろう、バストはD寄りのC、店員にもブラを変えた方がいいのではと提案されるくらいにはDになっている、行動パターンは平日は基本友達と帰り、親に連れだって買い物にいくときは決まって本を一冊買ってもらっている、趣味をごまかす時に読書と答えたのはこのためだろう、休日は友達の家にいって時間を潰すが、友達といっても同じクラスの川岸さんくらいしか友達はいないので実質川岸さんと遊ぶが正確、川岸とは小学からの付き合いで、強引に言い寄ってくる男を蹴散らすのが川岸さんの仕事、川岸さんがゴリラパワーなので、野村さんの可愛さが際立つのは、チェックを入れるのに一役買っている」
それどころか、真田調べを暴露してみた、
面白そうだと思ってやった、後悔はしていない。
というか、真田、これはいくらなんでも調べすぎだろう、ストーキングでもしてんのかと疑うわ……
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