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「死にたかった」
名前も知らないその子はとっても小さな、震える声でそう言った。
「苦しくて苦しくて…でも誰にもそんなこと言えなかった」
「心配かけたくないから?」
「違う」
「誰も信用出来ないから」
その言葉でぼくはこの子が可哀相って思った。
だってその"誰も"には自分の家族も入ってるんでしょ?
家族なのに信頼してないなんて…可哀相。
この子も。
この子の家族も。
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