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悠斗は何の考えも無しにただただ足を運んでいた。
そして軽く一時間ほど経った頃、悠斗の目の前に廃ビルと錆びれた古いフェンスが姿を現した。
そのまま悠斗は軽く足を掛けてフェンスを飛び越え、廃ビルの中へと入って行った。
ビルの中は何も無かった。
壁が剥がれ剥き出しの鉄骨、老朽のせいで床は崩れ足を踏み外せば大怪我は免れない
しかし悠斗はそんなこと気にも止めず、黙々とビルの"屋上"へと階段を上がって行った。
錆びれて重い扉を力いっぱい蹴り飛ばした。
夜の冷たい風が悠斗の頬を撫でた。
「…………」
無言で屋上の縁へと歩みを進める
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