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「――ちょっと聞いてるの、竜の旦那?」
「…Ah?」
「その反応は聞いてなかったんだね…」
やれやれ、と肩をすくめてみせる猿に苛ついて、脛を軽く蹴る。
大袈裟に痛がってみせてから、少し興奮したように声をあげた。
「さっき向こうでスゴい可愛い子見かけてさあ!しかもウチの学校の制服だったんだよ!たぶん新入生かな?綺麗な黒髪に、蒼い瞳でね…」
「…蒼い、瞳?」
「そう!変わってるけど、その子にスッゴい似合ってるんだよこれが!また会えないかなー…」
思い出すように目を細めた猿を横目に、考える。
アイツも、綺麗な漆黒に蒼の瞳だった。
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