本編

2/21
前へ
/23ページ
次へ
広がる大海原。 押し寄せる荒波。 寄せては返してく、ああ波のように、この心はさらわれて… じゃなくて。 ここはとある砂浜。 物語の最初を飾る大変に重要なシーンでございます。 しかし、生憎ながら今日の海は中々に不機嫌なようで。 とても予定しているシナリオを進められそうにないので、一晩待ちましょう。 ……そして、明けて翌日。 昨日の荒波が嘘のように、静かで穏やかな海が広がっていました。 時代設定もあるため、サーファーや海の家、ビキニのお姉さんなど、今の海に欠かせないものは、何一つございません。 寂しい時代ですね。 「待てこらぁー!」 「いてこましたろかー!」 「今日はスッポン鍋じゃい!きゃっほぉぉおぉぉおぉぉ!!!」 さて、子供たちが練習の成果を披露するように、砂浜にいた亀をいじめ始めました。 亀もやられる演技をし過ぎて、若干Mに目覚めたようで、どこか気持ちよさ気な表情をしています。 そんな気持ち悪い亀ですが、助けねば何も始まらないので、いよいよ主人公の登場です。 腰に刀を帯び侍風の青年が、偶然か必然かその現場を訪れました。 「今日はいい天気でござるな。潮風も心地よいでござる」 まだ亀には気付いていないみたいです。  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加