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広がる大海原。
押し寄せる荒波。
寄せては返してく、ああ波のように、この心はさらわれて…
じゃなくて。
ここはとある砂浜。
物語の最初を飾る大変に重要なシーンでございます。
しかし、生憎ながら今日の海は中々に不機嫌なようで。
とても予定しているシナリオを進められそうにないので、一晩待ちましょう。
……そして、明けて翌日。
昨日の荒波が嘘のように、静かで穏やかな海が広がっていました。
時代設定もあるため、サーファーや海の家、ビキニのお姉さんなど、今の海に欠かせないものは、何一つございません。
寂しい時代ですね。
「待てこらぁー!」
「いてこましたろかー!」
「今日はスッポン鍋じゃい!きゃっほぉぉおぉぉおぉぉ!!!」
さて、子供たちが練習の成果を披露するように、砂浜にいた亀をいじめ始めました。
亀もやられる演技をし過ぎて、若干Mに目覚めたようで、どこか気持ちよさ気な表情をしています。
そんな気持ち悪い亀ですが、助けねば何も始まらないので、いよいよ主人公の登場です。
腰に刀を帯び侍風の青年が、偶然か必然かその現場を訪れました。
「今日はいい天気でござるな。潮風も心地よいでござる」
まだ亀には気付いていないみたいです。
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