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銃を握る。
俺は目の前の男の眉間に照準を合わせ、セーフティーを外した。
「や、止めてくれぇ!」
「…………」
目の前の男は涙や鼻水でぐしゃぐしゃになった顔で俺に命乞いをする。
「な、何が望みだ!?金か?金なら幾らでも払う!!だから命だけは――」
ダンッ
ハンドガンのスライドから空薬莢が排出され、床に転がる。それと同時に、目の前の男の眉間に穴が空き、赤い液体が噴き出した。
男は数回痙攣をした後、ピクリとも動かなくなった。
「……金なんていらねぇよ………」
俺は銃を下ろし、動かなくなった男を見下ろしながら呟く。
そうだ。俺はそんなモノはいらない。
俺が欲しいのはただ一つ。
昔から、ずっとこれだけを追い求めてきた。
そして、今だってそれを追い求めている。
そう。
「自由」
これだけだ。
◇◇◇蓮side
「……ん……さい………れ…き……なさい」
何だろう。声が聞こえる。
「れん……なさい……お………さい!」
何だよ五月蝿いなぁ。俺は眠いんだよ。
「蓮!いい加減起きなさい!!」
ドガッ
「ぱぅ!?」
俺は突然鳩尾を襲った激痛により目が覚めた。
尋常じゃなく痛い。
「もぅ、やっと起きた」
「いつも言ってるけど、起こすならもう少し優しく起こしてくれよ」
俺は痛みが走る腹をさすりながらベッドから起きる。
あー、超痛ぇ。
「起こしても起きないアンタが悪いのよ」
「だからって寝てる人間の鳩尾に肘鉄はないだろ………」
俺は肘鉄をした超本人、三つ上の姉、鳴神秋葉に目を向ける。
「…………(ゴゴゴゴ)」
((((゜д゜;俺))))ガクガク
うん。
ものっそい俺を睨んでる。
しかもさ、姉貴の後ろに厳つい顔した般若がいるだよ。
勝てる気がしねぇよ。
「はぁ……いいから早く朝ご飯食べちゃってよ。遅刻するわよ?」
遅刻?
はて、姉貴は何の事を言っているのだろうか?
「遅刻?何の事だよ?」
姉貴は驚いた顔で俺を見る。
ちょ、そんなに見ないで!感じ(ry
「何って……アンタ今日入学式でしょ?九時から」
「え?」
壁にあるカレンダーと時計に目をやり日にちと時間を確認する。
4月7日 8時50分
「……うそん」
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