魔界へ行こう

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ライに接近され、さっき満月を見ていた窓を背に、あたしは逃げ場を失った。 「この1ヶ月、俺がどれだけ我慢していたと思ってる?」 え。 「お前の血が吸いたくて。お前が欲しくて欲しくてたまらなかったというのに。」 ライの目、紅くない。 「おかげで喉がからからに乾いてる。今日は、我慢していた分、たーっぷりとお前の血を味わってやる。」 金色だ。 その目の色を、美しいと思う間もなく、ライの唇があたしの唇を塞いだ。 舌が侵入してくる。 「ん…」 その舌で上顎をなぞられれば、一気に腰の力が抜ける。 そんなあたしの体を、ライは片手と片足で支えた。 ライの舌は、すぐにあたしの舌を捕えて絡めとる。 脳の一部がビリビリと麻痺する感覚に襲われた。 「気持ちいいだろ?」 「う、ん…。」 ライの問いかけに、思わずうなずいてしまいました。 「お。今日はやけに素直じゃないか。」 それは、ライを喜ばせる結果となった。 角度を変えて何度も繰り返されるキスは、あたしの思考を完全に停止させる。 はううう。 もう、ノックアウトです。
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