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「知ってるか?お前、キスした後のほうが血が甘くなるんだぞ。」
え…
そ、そうなの?
「だから、お前の血を吸うときはいつもキスをしてからだ。」
そう言って、ライはまたあたしの口を優しく塞いだ。
ライのサラサラな前髪が顔にかかる。
何回する気!?
これ以上されたら頭がショートする。
そう思ったあたしは、震える手でライの胸を押した。
「なんだ。」
「も、もう無理!」
全身が熱い。
あたしはハァハァと息があがっているのに、ライは息ひとつ乱していない。
「じゃあ次は首だな。」
ライは指の腹で、あたしの右の首筋を軽く撫でた。
そんな動きにさえ、体はすぐに反応してビクッと震えた。
「もう甘い匂いが溢れてる。俺に吸ってもらいたくて、お前の血が騒いでる。」
首筋に、ライの吐息がかかるのを感じた。
全身の血が、一気に首に集まってくるみたいだ。
「もう、我慢できない。」
吐息混じりに囁く声と、息を吸い込む音が聞こえた。
牙が、来る。
瞬間、首筋に鋭い痛み。
あ…!
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