魔界へ行こう

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以前、ライがブラスト家の掟について語っていたことを思い出した。 人間と結婚するなんて言ったら国外追放か、運が悪ければ死刑かもしれないって、あんた言ってたじゃない! 「あたしを連れてったら、ライのお父さん、ぜーったい怒るよね!?」 「だろうな。」 ライは楽しそうに笑った。 って、あんたは何を呑気にしてんの! あたし、殺されたくないんですけど! 「やだ!行きたくない!」 「大丈夫だ。」 そう言うライの顔は何故か自信満々で。 「俺が選んだ女は、ものすごく強情で、その上すぐ怒ったり叫んだりする騒がしい奴だが…」 ライは少し間を置いて続けた。 「血の味は信じられないくらい極上で、そしてこんなにも可愛い奴だということを、全員に教えてやりたいんだ。」 って、いつものように意地悪く微笑んだ。 ライ… ライがあたしのこと「かわいい」って言ってくれた。 ちょっとばかにしたみたいな言い方だったけど、あたしは嬉しかった。 そして何より、堂々とあたしのことを紹介しようとしてくれることが嬉しかった。 「お父さんが怒ったら、守ってくれる?」 「当たり前だろ。」 深紅の瞳があたしを見つめた。
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