1190人が本棚に入れています
本棚に追加
…………
「菜乃香、起きろ。」
ライの声で目が覚めた。
ほっぺたに風が当たってる。
「ふえっ?」
目の前に広がる光景。
あたしは目を疑った。
「魔界に到着だ。」
空は、薄い紫色なの。
土星のようにリングの付いた天体や、銀色に輝く星々があたしを迎えた。
すごおおい!!
あたしはまた、ライにお姫様だっこをされていて。
ライは黒い翼を広げて空を飛んでいた。
眼下にはたくさんの家が建ち並んでいる。
遥か向こうには森が広がっていた。
ライはゆっくりと旋回し、徐々に地上に近づくと、やがて静かに小川のほとりに降り立った。
あたしはふわふわの芝の上に足を下ろした。
「本当に魔界に来ちゃったー!」
すごい!
小川がきらきらと光ってる。
よく見ると、その川の水の中には、色とりどりの丸い玉が浮かんでいた。
「ライ!これ何?」
「ウォーターキャンディだ。食べてみろ、甘いぞ。」
キャンディ!?
じゃあ、遠慮なく、いただいちゃおうかな。
あたしはキャンディを1つ、流れる水の中から掬い上げた。
ピンク色。
透き通ってる。
最初のコメントを投稿しよう!