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あたしはそのピンク色の飴玉を口の中に放り込んだ。
ん!甘い!!
飴玉は、口の中に入れた瞬間、ゼリーのように柔らかくなった。
「なにこれ!おいしい!」
「だろ?」
はしゃぐあたしを見て、ライは呆れたようにクスクスと笑った。
澄んだ小川とふわふわの芝生。
芝の上には、サクラソウに似た小さくてかわいらしい花が咲いていた。
きれい。
すると、遠くの方で音楽が聞こえてきた。
アコーディオンの音がする。
「なんだろ?」
「今日は誓いの儀の100日前だと言っただろう?それを祝って、街では祭りが行われているんだ。」
そうなんだ!?
ライは魔界の王子様。
そして次期王様。
そりゃあ街の人たちはお祝いしたくなるよね。
で、でも相手が人間だと知ったら?
あたし、怒られる?
やだよー!
そんなことを考えてたら、ライが言った。
「祭り、行くか?」
えっ…
「行きたい!」
あたしは即答した。
魔界のお祭り、めちゃめちゃ気になるもん。
「と、その前に。お前のその格好、変えた方がいいな。」
?
あたしは自分の格好を見ると、パジャマのままだということに気がついた。
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